「できたらいいな」を、まちで形にする――住民と自治体の共創が生んだ小さな変化

事例

名寄市や裾野市、菊川市など全国の複数自治体では、住民・職員・シビックテック・ラボが共に、地域課題を自分たちで解決する「シビックテック共創」が進められている。LINE Bot開発やまちの情報マップ、フードロス対策など、技術と市民の知恵を組み合わせた小さなアイデアが形になり、まちのなかでじわじわと役立ち始めている。共創のプロセス自体が、地域に新しいつながりと希望を生んでいる。

課題感・状況 ― “誰かがやってくれる”のでは間に合わない

「地域の課題はわかっている。でも、どう動いたらいいかわからない」

「技術を使えば解決できそうだけど、ITに詳しい人がいない」

これは、特別なまちの声ではない。どこの地域でも聞こえてくる、住民や職員の“もやもや”だ。

人口減少や高齢化、災害時の連携、福祉の担い手不足、身近なまちの困りごと……。

行政だけでも、市民団体だけでも、動ききれない課題が増えるなか、「それなら一緒に考えてみませんか?」という問いかけから始まったのが、シビックテック・ラボと地域の共創プロジェクトである。

取り組み ― 住民と職員が“やってみたい”をかたちにする共創型プロジェクト

たとえば北海道名寄市では、「身近なまちの課題をLINE Botで解決できないか?」という若手職員の声がきっかけでプロジェクトが始まった。市民のアイデアをオンラインで募集し、テーマごとにグループが結成され、ワークショップや開発支援を通じて、実際にBotの試作品が完成した。

静岡県菊川市では親が給食の献立が紙で配布されていて確認しずらいという課題に対し、LINEを活用して献立の確認ができる仕組みを構築。住民にもわかりやすく、買い物先でも献立がかぶらないように使うことができるしくみをシビックテック活動で作られた。

また、裾野市では高齢者の「困りごとの声」を拾い上げるために、デジタル裾野の輪では、地域での聞き取りとプロトタイプ開発を通じた「対話するしくみ」づくりが行われた。

いずれの事例でも、シビックテック・ラボは中立的なファシリテーターとして場を整え、アイデアを実行可能な設計に落とし込み、必要に応じて技術的なサポートも提供している。

価値創造 ― “動ける”人が増えていくまちの力

共創による取り組みは、すぐに大きな変化を生むわけではない。

でも、「自分たちでつくった」という実感は、まちの中に小さな火を灯す。

LINE Botの公開後、住民から「便利になった」「親にも使わせたい」という声が届いたり、プロジェクトに関わった職員が「他の業務でも住民と一緒にやってみたい」と語るようになった。

また、市民から「これ、他の地域でも使えそうだから、テンプレートにできないか?」といった**“ひろげる視点”も自然と生まれている**。

このように、課題の共有から始まった小さな共創が、組織や地域を越えて広がる兆しが見えてきている

結論

住民と行政が一緒になって「やってみる」ことは、特別な才能や組織がなくてもできる。

必要なのは、**対話をする場、少しの後押し、そして“かたちにする力”**だ。

シビックテック・ラボの共創支援は、まちのなかで動きたい人たちが「ちゃんと前に進めるようにするための仕組み」を提供している。

今、多くの地域で「どうにかしたい」が、「どうしていいかわからない」まま止まっている。

その一歩目を、住民・行政・第三者が共に踏み出せる地域が、未来に強くなる

名寄や菊川、裾野で起きているのは、そんな未来の兆しなのかもしれない。

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