実施概要
高砂市・会津若松市では、市民と行政が一緒にまちの未来を考える「共創の場」が着実に広がっている。公共施設の再編や地域課題の整理に向け、ワークショップやタウンミーティングを通じて、住民の声を可視化し、計画へと反映。シビックテック・ラボは両市でファシリテーションと可視化支援を担い、対話を重ねるプロセスが“まちの意思”として形になっている。
- 団体名:高砂市/会津若松市/全国の自治体・地域住民・まちづくり団体
- サービス名:タウンミーティング
1.実施内容
1.実施内容
課題感・状況 ― 地域の将来は、「施設の話」だけでは語れない
多くの自治体が抱える共通の課題。
老朽化する公共施設、限られた財源、人口減少による利用の偏り。
高砂市もその例外ではなかった。市はこうした現実を正面から受け止め、「未来資産の設計」という考え方のもとに住民参加型のアプローチを始めた。
一方、会津若松市でも、公共施設のマネジメントにおいて「どうすれば市民と一緒に未来を描けるか」がテーマとなり、地域ごとの意見を丁寧に集める取り組みが模索されていた。
どちらのまちでも、必要とされていたのは「説明する」ではなく、「ともに考える」場だった。
取り組み ― 共に描く未来。高砂市と会津若松市、それぞれのアプローチ
高砂市「共創ワークショップ」:未来資産を、住民の目線で再構成する
高砂市ではデジタルや数値も活用したこれからを考える**「共創ワークショップ」を開催。 2回構成で、1回目はまちの現状理解と課題の洗い出し。2回目はその課題を踏まえた上で、“理想のまちの姿”を住民自身が提案する時間**となった。
参加者は高校生から高齢者まで。対話を通じて出てきたアイデアには、
- 世代を超えて使える居場所
- eスポーツを活用したい
- 公共施設を地域活動の起点に
といった、使う人のリアルな視点が生きた提案が並んだ。
進行を支援したシビックテック・ラボは、場の設計や対話のファシリテーション、グラフィックレコーディングによる可視化を担当。
「言ったことが見える」「一人ひとりの発言が拾われる」環境が、対話の質を底上げした。
高砂市「公園マネジメントのタウンミーティング」:地域の“みんなで育てる”場所を考える
共創は今回が初めてではない。
数年前には、市内の公園をどう活用・整備するかをテーマに、タウンミーティング形式の対話の場が開かれていた。
ここでも、地域住民の声から「イベント・バーベキューができる場所」「県と市の2つの公園が連携した公園がいい」など、一人ひとりの暮らしに即した視点が提案されていた。
「まちのハード(施設)」と「住民のソフト(想い)」が交差する設計が、高砂市の共創スタイルの原点となっている。
会津若松市「公共施設マネジメント・タウンミーティング」:地域ごとに、語り、描く
会津若松市では、公民館を拠点に地域別で2回ずつのタウンミーティングを実施。
1回目は「今の地域の状況を共有する」回。2回目は「その未来に向けて、どう施設を使っていきたいか」を対話する回。住民と職員が輪になって話し合い、その場でグラフィックレコーディングによって発言が可視化されていった。
地域ごとに話題は異なる。「防災拠点としての施設活用」「子育て世代が使える場所」「高齢者の交流をどうつなぐか」。
一律ではない地域の姿を、市民の言葉で描き出す場づくりが、ここでも実現されていた。
価値創造 ― 対話の積み重ねが、“まちの意思”をつくる
これらの共創の場で最も重要なのは、「市民の声が、計画や行動に影響を与えている」実感である。
高砂市では、共創ワークショップで出てきたアイデアが、行政計画へのフィードバック対象として整理されている。
「提案して終わり」ではなく、「どう活かすか」までが共有された点が大きい。
会津若松市でも、住民の意見がグラフィックとしてその場に残り、後日レポートとして地域に返される。これにより、「話したことがそのまま消えない」安心感が参加意欲を支えている。
結論
まちの未来は、行政だけでは描けない。
そして市民だけでも、持続可能な実行力はつくりにくい。
だからこそ必要なのが、**両者がフラットに出会い、語り合える“共創の場”**である。
高砂市と会津若松市の取り組みは、「聞く」から「ともに描く」へと自治体と市民の関係を変えるヒントを提示している。
これからのまちづくりに必要なのは、一緒に考える姿勢と、その対話をデザインする力なのかもしれない。
2.類似記事
3.詳しく知る
3.詳しく知る
タウンミーティングについて詳しく知りたい
費用感や実施回数、サービスの内容を知りたい方はサービスのページをご覧ください

Let’s go & Next challenge !
どこから始めたらいいかわからない。また失敗してしまうのではないか。
そんな思いがある人、今度こそ、一緒に変えていきませんか?
自治体・企業の方はこちら