実施概要
墨田区が3年間かけて挑んだ「自治体変革PJ-DX」は、
職員自身が学び、考え、動く力を身につけていく旅でした。
自分たちの業務を自らの手で見直し、住民のためのサービスを再構築。
プロトタイプづくりや展示会も行い、最終的には職員が自走できる文化が根づきました。
このプロジェクトは、変革とは“誰かがすること”ではなく、
“自分たちで育てるもの”だという確かな実感を、区役所に残していったのです。
- 団体名:墨田区役所
- サービス名:自治体変革PJ-DX
1.実施内容
1.実施内容
序章:変わらなければならないという直感
物語の始まりは、どこにでもあるような職場の会話でした。
「DXって結局、システムを新しくするだけでしょ?」
「うちは人も少ないし、そんなことやってる余裕ないよ」
でも、本当にそうでしょうか?
墨田区が抱えていたのは、技術の遅れではありませんでした。
最大の課題は、“意識”だったのです。
どれほど素晴らしいツールがあっても、それを使いこなす
人の気持ちが変わらなければ、何も変わらない。
DXという言葉だけが先走るなかで、職員たちの中には、
「自分ごと」として捉えられない空気が漂っていました。
このプロジェクトの真の目的は、
“職員が自ら変わろうとする”きっかけをつくること。
そのための小さな火種を、どう育てていくか――そこからすべてが始まったのです。
第一章:学びと出会いから始まる(研修の方法)
研修といっても、ただ話を聞くだけのものではありませんでした。
むしろ、これは“物語をつくる旅”のようなもの。
座学で知識を得るだけでなく、ワークショップで議論し、
アクティブラーニングで実践し、グラフィックレコーディングで
その成果を「見える化」する。
まるで職員一人ひとりが、主人公として舞台に立っているかのように。
プロジェクトは5〜6チームに分かれ、約半年をかけて研修を実施。
運営側は舞台裏で支え、時には壁打ち相手になり、時には道案内も務めました。
そして、物語のクライマックスともいえる報告会には、
区長自らが登壇し、職員たちの挑戦を讃えるのです。
第二章:はじまりの一歩は、手探りで(1年目)
最初の年――そこには、不安と期待が入り混じる表情がありました。
「サービスデザインって、どう考えればいいの?」
「私たちが本当に、業務を変えられるの?」
そんな声があがるのは当然です。
でも、変化の種は確かに芽吹いていました。
何気なくやっていた日々の仕事を、
あらためて“誰のために”“どうしたら良くなるか”と問い直す時間。
そこに、新しい視点が生まれました。
ある職員がこうつぶやくのです。
「今までやってきたことは、このためだったんだ」
その気づきこそが、変革の本質。
どのチームも最後には“自分たちのプロジェクト”として誇りを持って報告会に臨み、
動画や冊子というかたちで、自分たちの物語を社会に伝えました。
第三章:広がる輪、芽吹く挑戦(2年目)
2年目、プロジェクトは新たな局面を迎えます。
各部門から推薦された職員が新たに加わり、DXの輪が一層広がっていきました。
この年の特徴は、Figmaというツールを使ったプロトタイプ制作です。
アイデアを“見える形”にすることで、「こんなサービスをつくりたい!」という想いが、
ぐっとリアルに伝わるようになりました。
「やってみたけど、うまくいかない」
「何度も壁にぶつかる」
そんなチームもありましたが、諦めませんでした。
最後の最後でアイデアをブラッシュアップし、報告会では大きな拍手とともに迎えられる。
それがどれほどの自信になったことでしょうか。
そして、庁内展示会の開催。DXという言葉が、決して一部の専門家のものではなく、
「私たち自身がつくっていくもの」だと庁内全体が感じ始めた瞬間でした。
第四章:視座を上げて、未来を描く(3年目)
3年目――この旅の集大成は、より実践的なステージへと進みました。
チームはそれぞれ、自部門の課題をテーマに掲げて参加。
単なる“研修”ではなく、リアルな業務改善がテーマになったのです。
そしてこの年から、「GJカード(Good Jobカード)」が登場します。
講師がその場で職員を褒めるカード。
それは、小さな達成や工夫を見逃さず、仲間の中で賞賛し合う仕掛けでした。
初めは表面的な課題にばかり目が行っていたチームも、次第に“もう一段上の視点”を持ち始めます。
根本原因を見抜き、業務の再構築へとつなげていく――
まさに、自らが自治体変革の担い手となった瞬間でした。
区長からの評価、他自治体からの視察、GovTech東京との協働で開かれた展示会。
変革のうねりは、もはや一自治体の枠を超え始めていました。
終章:自走する変革へ(価値創造)
この3年間で、何が変わったのでしょうか?
それは、“他人事だったDX”が、“自分ごと”になったということ。
職員たちは学んだ知識を、自部門の課題解決に活かし、実際に成果を出し始めました。
プロジェクトを終えた後も、自らの意志で動き続け、庁内外の評価を受けるチームも登場。
上司や区長が、発表の努力を称える。参加者のモチベーションが上がる。
その姿を見た別の職員が、「次は自分もやってみよう」と思う。
そうやって、小さな変化が、確かな文化へと育っていったのです。
何よりも、シビックテック・ラボの研修を”卒業”しても迷わず動ける。
自分の力で、DXを前に進められる。
その「育ち自立」こそが、このプロジェクトの最大の成果だったのです。
結論
変革は、どこか遠い世界の話ではない。
それは、あなたのデスクの上から始まる。
“育ち自立”――この言葉の重みを、墨田区役所の職員たちは三年間かけて、自らの手で体現した。
そしてそれは、どんな自治体にも起こりうる、静かな革命のかたち。
さあ、次は――
あなたの番かもしれない。
2.デジタル × デザイン × データ
2.デジタル × デザイン × データ
※ご覧のサービスの中で、デジタル、デザイン、データがどの程度必要になるか、の指標です。
100:がっつり伴走型で実施
50:座学またはショートワーク
0:無し
4.詳しく知る
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